こといづ
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湯たんぽの水が、その閉ざされた金属容器のわずかな隙間からなんとか外に出ようと、
「ぽしゅしゅわもしゅしゅ」、まるで人の声で引っ切りなしに喋っている。
「ああ、歌が、閉じこまった魂の隙間からすすすっと漏れ出てくるようで、まったく似ている。湯たんぽも歌っておらるるのだな」。(やみのおくとひかるおくとまじわる:p94)
湯たんぽから漏れ出る蒸気の気配すらも、ことばにしてしまうセンスに驚く。
高木さんはきっと、世界と自分との間に壁がないのではないか。身体の外側の環境にさえ、神経が行き届いている印象を受けた。そんな高木さんの感覚は文章を通じて感じることができる。それがとにかく嬉しかった。豊富な挿絵や、巻末の楽譜まで愉しい。
木楽舎 紹介文より
なんだこの文章!これはほんとうに人間の生身の男の人が書いた文章なのか?家や森や草や風が書いたんじゃないのか?すごい人だ。――吉本ばなな
『こといづ』とは「コトが出づる」という意味の造語です。丹波篠山の小さな村で暮らす日々の驚きと発見、高木夫妻の家にたびたび遊びにくる80代のハマちゃん・昔気質の大工職人スエさんをはじめとする愛すべき村人たちとの交流、映画音楽ができるまでの苦悩と喜び、ソロモン諸島・エチオピアをはじめとする旅の話、自然と人間の限りあるいのちについて……。
ピアノを弾くように、歌をうたうように綴られる言葉を、2012年から現在まで続く雑誌ソトコトの連載から収録。高木正勝による初の著書であり、この世界のすべてがいとおしくなるエッセイ集です。
【目次】
はじめに
げんてん
あたらしいまち
なつかしや、わがともよ
じなんぼうのよろこび20
てんさい
てんさい2
しらいき
かんちがい
じくうりょこう
みみ
ちいさなむら
おひっこし
たね
むくむく
ちゃんと、ひとまず
ふゆふゆす
にじみ
ちからのなみ
すで
ちから
にねんめ
ゆびさき
ゆうたいりだつ
はるなつあくふゆ
やみのおくとひかるおくとまじわる
ころころこころ
はるよこい
たにのはまべ
ぐるり
いまはのきわ
なついちばん
うたわにゃそんそん
やまえみ
やまさきうた
おやま
うつろい
おやまのぴあの
ひそかごと
ひとつうたえばななつひらいて
はなみち
にこ
すくすくと
はなわらう
ほっほ
よはく
あいらぶゆ
やがて
あたたかい
あらた
たぷんたぷん
うつわ
ひきつぐ
いろは
マージナリア
こといづ
いのち
ごくらく
やさしいのがよい
えいがおんがく
ほどいては、あみなおして
ふわふわしたかたまり
おひいづ
あらゆる
めぐみ(歌詞と楽譜)
おわりに
【状態】
帯付き
帯に日焼けあり
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